とっておきの笑顔を見せるスゴ技
最近、「街の中は顔でいっぱい」という新聞記事を目にしました。
それによると、人間は「目、鼻、口」と似た位置関係にあるパターンを
人の顔と認識してしまう傾向があるという。
赤ちゃんが「顔のようなおもちゃ」を好んだり、
「顔が見えてしまう」心霊写真も、これが影響しているらしい。
「顔」は人にとって、「自然と見てしまう」「注目してしまう」もの。
おのずと、その「表情」も目に入り、人はそこに意味を見出し、
情報を得ているのではないだろうか。
しかし一方で、日本では人の顔をじろじろ見るのは
礼を欠いた行為ともされている。
以前、笑顔トレーニングの講師である友人から、
「相手に自分の顔を見てもらう方法」を教えてもらったことがある。
ショップ店員が、お買い上げいただいた商品をお客様に手渡す場面で、
お客様が商品を受け取ろうとした瞬間、ほんの少しだけ手を離さずに
力を入れるのだ。
すると、お客様は「何だ?」とこちらを見る。
そのときに、ここぞとばかり「とっておきの笑顔」とともに
「ありがとうございます!またご来店ください」と言うのだそうだ。
これは、「何が起きているのか?」と不安になり、情報収集するために
相手の表情を見るという傾向をうまく使った「技」なのだそうだ。
積極的に相手の顔を「見ない」という日本人に対応した
見事な「技」といえるかもしれない。