香港でイタリア人部下と信頼関係を築いたきっかけは・・・?イメージ

執筆者: 伊藤 ゆう

香港でイタリア人部下と信頼関係を築いたきっかけは・・・?

新しい挑戦してみました

先日、ある企業のアジア責任者として香港に赴任した方から、こんな話を聞きました。

赴任当初、イタリア人の部下から相当なめられていた。しかし、ある日、着ていくシャツをちょっとオシャレなものに変えてみたところ、イタリア人部下が目を輝かせて近づいてきて、シャツについて質問された。そこから彼との関係構築は、以前よりも楽になったし、よい信頼関係が築けたように思う。

 

私はグローバル人材育成が専門で、企業の教育担当者の方々と、グローバル人材の定義や、グローバル人材に求められる資質・マインドを検討することがあります。その内容は、各社それぞれですが、多くの企業に共通する要素として「新しいことに臆さずにチャレンジする」ということが挙げられます。
グローバルに通用する人材は、これまでと異なる考え方や文化的な背景をもつ人を受け入れることができなくてはいけません。そのこと自体が、「新しいことに臆することなくチャレンジする」ことにつながるのだと考えられます。

 

みなさんは日々の生活の中でどのくらい「新しいことにチャレンジ」をしているでしょうか?業務や行動がルーチン化されていると、新しいことに挑む気持ちは鈍くなります。脳科学のことばで、このように日常化されたことに安心安全を感じることを「コンフォートゾーン」と呼びます。「新しいことに臆さずにチャレンジする」というのは、コンフォートゾーンから飛び出す思考・行動パターンをもつことで、これは何もグローバルな環境に限ったことではありません。
普段から意識的に新しい視点をもつこと、行動に変化を起こすことで、いざグローバルな環境におかれたときにも対応できる思考力、行動力が形成されるのです。

 

ちなみに私自身は、内省・リフレクションの時間をとって「つい繰り返している行動の癖」を考え、あえていつもとは違うことをする(コンフォートゾーンから抜け出す)ようにしています。いつもは頼まないメニューを選ぶ、普段だったら行かない場所に行ってみる、読んだことのないジャンルの本を読む、というのもありますね。また、冒頭の香港に赴任したアジア責任者の方のように、いつもとは違う服を選んで着てみる、というのもよさそうです。

自分の身近なところの小さな変化に対応できずに、グローバルな環境でビジネスを進めることなどできないでしょう。

グローバルというと大きな話題になりがちですが、まずは身近なところからグローバル化への準備をはじめてみてはいかがでしょうか?

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