マラソン大会に出場すると思うことイメージ

執筆者: 峯村 隆久

マラソン大会に出場すると思うこと

新しい挑戦してみました

「体重が増えてきたし、体型も崩れてきたなあ~」と自覚した私は、40歳の誕生日を機にスポーツを本格的に始め、数年後にはマラソン大会に出場するようになりました。マラソンは冬のスポーツとも言われ、<!–more–>ほとんどの大会は冬に行われます。寒い時期ですから、大会に出場すると長距離を走り切るためのつらさは当然のこと、寒さにも耐え続けなくてはいけません。走りながらいろいろなことを考えます。「何で、こんな寒いところで、苦しい思いをして走っているんだろう?」とか、「大会に出場しなければ、こたつに入ってテレビでも見ているだろうな~」といった感じです。また、中間地点折り返しコースの場合には、「折り返し地点まで行かないで途中でこっそり復路に入れば自己ベストのタイムを更新できるよな~」と考えることもしばしばです。

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それにしても、マラソンは誰かに強制されて始めたことではなく、大会に出場し自己ベストを更新しても、賞金が出るわけでもありません。自ら大会参加費を支払い、長時間もつらい思いをしにいくのです。

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これを「本気の趣味」と言うのでしょうね。一見、無駄な出費や努力に見えるかも知れませんが、趣味の領域において「少しでも速くなりたい」「うまくなりたい」「強くなりたい」・・・という思いから、自らの意志で一生懸命になれるのです。一生懸命になれる理由を一般的な言葉で表現するならば、「自分の成長実感」といえるでしょう。自分の成長を心から実感したいから、どんなにつらくても、自分の限界を意識して走り続け、インチキによる見せかけの自己ベスト更新などは決してしないのです。

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仕事も、「本気の趣味」と同じように「どんなにつらい状況でも本気で頑張る」、「見せかけの結果ではなく本質を重視した判断を行う」という姿勢で取り組めたら、とても素晴らしいと思いませんか。これを実現するためのヒントが「自分の成長実感」です。

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しばしば「私は大した仕事をしていません」と言ってしまう人がいますが、それでは仕事を通じて自己成長を実感できるわけがありませんし、「大した仕事ではない」などということは決してありません。マラソンも、トレーニング方法、シューズの選択、大会当日の戦略など奥深いものなのですが、仕事もそれと同じかそれ以上に複雑で奥深いものです。「これまでよりも良い仕事をしよう」、つまり「その仕事のベストを更新しよう」という意識を持って取り組めば、仕事は「本気の趣味」以上に自己成長が実感できるものなのです。

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私は<a title="パートナー・コンサルタント峯村隆久" href="http://www.jmam.co.jp/productservice/training/lecturer_info/lecturer_005.html" target="_blank">組織風土改革をテーマとした研修やコンサルティング</a>を行っていますが、管理者に対しては、部下が成長実感を得られるようなコミュニケーションをするよう指導をしています。具体的には、管理者が部下に仕事をお願いするとき、仕事のやり方を細かく説明するのではなく、その仕事の意義(誰に役立つ仕事なのか、どのように役立つ仕事なのか)とその仕事をより良くするためには何が求められるのかという点を説明するようにしてもらいます。また、部下の仕事を見るときは、修正すべき点を見つけて指導するのでではなく、以前と比較して良くなった点や工夫していると感じられる点を褒めることを多くするようにしてもらいます。

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このようなコミュニケーションが日頃からできるようになると、「人に役立つ仕事をする」「より良い仕事をする」という意識が生まれるとともに、「少しでも良い仕事ができるようになること」ことが自分の成長だと実感できるようになると思うのです。

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