研修講師とボウリングの意外な共通点
最近、私は夫婦でボウリングに挑戦しています。
先に「はまった」のは、パートナーである妻の方でした。
奥様仲間と教室に通い、<!–more–>プロボウラーからコーチングを受けているのです。
私も若い頃は結構投げていたのですが、まったくの自己流でした。
ところが、パートナーの話によると、ボウリングは立派なスポーツで、
しっかりとした理論があり、コツもある、自己流でただ投げていても
上達しないというのです。
ものは試しと、早速、私もやってみたところ、これがすっかりはまってしまった、
という訳です。
ボウリングに夢中になる中で、
「研修講師の仕事とボウリングは意外に共通点があるな」と感じるようになりました。
ひとつは、その「成長プロセス」です。
研修講師の世界では、よく「守(しゅ)・破(は)・離(り)」と言います。
一人前の講師になるため、まずは、先輩講師について基本を身につけ(守)、
そこから自分で試行錯誤を繰り返しながら模索し、基本から応用に入り(破)、
次第に自分の流儀(スタイル)を確立してゆく(離)のです。
ボウリングも同様で、
プロやベテランの師匠のコーチングを受けて、基本の「型」をきちんと習い、
次第に実戦経験を積みながら試行錯誤して自分なりのスタイルを身につけ、
ついには「師匠」から自立して自分の道を歩むのです。
2番目に、「自分の個性をうまく活かす」というのも共通する点です。
ボウリングでは「4(フォー)スタンス理論」といって、
4つのタイプ(身体特性)別に無理のない身体の動かし方があるといわれます。
研修も、プログラムやツールが共通していたとしても、
担当する講師の個性によって、実際の研修の現場は違ったものになります。
特に、私が担当するキャリア開発などのテーマでは、
その講師の生き様や仕事観・人生観が、研修を構成する要素となることもある程です。
共通点の3つめは、ボウリングも研修も“生き物”であるという点です。
ボウリングでは、左右のレーンコンディションが微妙に違うことがありますし、
レーンに塗ってあるオイルの状態は刻々と変化します。
目に見えない違いや変化を感じなければ、思うようにスコアが伸びません。
研修も、そのときの参加者によって、その場の状況によって、
同じ内容でも反応や結果が大きく変わってきます。
今、何が起きているのか、参加者の心理、場の動きを読みながら、
空気が変わる一瞬を見逃さないことが重要になります。
そして、その変化に対応するための「引き出し」をどれだけ持っているかが
問われるのです。
研修講師にもボウリングにも、上達に早道はありません。
常に、「これでよい」ということはないのだな、ということをつくづく実感しています。
「道」は長く、険しく、終わりなく続きます。