女性部下も、歓迎しようイメージ

執筆者: 柳生 幸枝

女性部下も、歓迎しよう

ア・ラ・カルト

4月は異動の季節。挨拶がわりに異動が話題にのぼる。私も、お世話になっているOマネジャーに会ったので早速、「Oさん、今度の組織は部下全員が女性なんですってね。大変ですねー」と声をかけてみた。するとOさんは、<!–more–>
「みんなそう言うんですよね。でも何でそれが大変なんでしょうね?皆さんオトナだし、しっかり仕事して頂いているから、女性だからといって特に大変だなんて全く思っていないんですけど…」と戸惑い気味に仰った。

&nbsp;

その瞬間、ちょっと気まずい空気…。

&nbsp;

何しろ私は今、ダイバーシティ推進、女性社員の活躍推進をリードしていこうと、日々関連の情報収集をしたり<a title="JMAM女性活躍推進支援" href="http://www.jmam.co.jp/productservice/training/biz_women.html?utm_source=hkb150423&amp;utm_medium=blog&amp;utm_campaign=women" target="_blank">プロジェクトに加わったり</a>しているのだ。にもかかわらず、こんな発言をしてしまった自分にドギマギしたし、そんな思いをOさんに感じ取られてしまったのではないかと慌ててしまったのだ。あげく、「えぇ。そりゃ、そうですよねぇ」と取り繕うことしかできなかった。「男性管理者はきっと、部下が全員女性だなんて大変だと思うもの」という勝手な思い込みの下、相手に合わせた世間話のつもりで安易な声掛けをしてしまったことを私は恥じた。しかし、Oさんのように性差をニュートラルに捉えて自然体でいられる男性管理者は、残念ながらまだ少数である。

&nbsp;

「一緒に働くなら異性である女性よりも、同性である男性との方がよい」

&nbsp;

先ごろ行われた日本経済新聞社によるアンケート調査(日経電子版会員を対象に2015年4月中旬に実施、n=405)では、男性の43.8%からこんな結果が得られている。女性との方が働きやすいと答えた男性は、わずか5.7%。調査には、「男性との方が気をつかわない」、「男性の方が上下関係をわきまえており、お互いに対処しやすい」などの理由が寄せられていた。

このように思う男性管理者の方々を悪者扱いするつもりは毛頭ない。しかし、労働力人口がこの先しばらくは減少し続け、知識財や経験価値で勝負していかなければならないこれからの時代、「男性同士の方が今までのビジネス慣習が通じやすい」などと言い訳がましいことを言っている場合ではない。それではイノベーションは興せないし、会社の存続さえも危ぶまれる。「ビジネス慣習が通じない」と嘆くのではなく、それが通じる部下を男女の別なく育てるところからスタートしてほしいし、意思疎通が難しいと思うのであれば、コミュニケーションの取り方を学んでほしい。性差による先入観をちょっと取り払って、<a title="多様化する部下に対応するマネジメントコース" href="http://www.jmam.co.jp/productservice/training/course_info/course_div.html" target="_blank">個々の特徴や事情を今以上に知るためのスキル</a>を上げて、男性よりも女性部下の方が多い環境も歓迎してほしい。

Oさんのような男性管理者の存在を確かめられたことを励みに、そんな自分の思いを新たにした。

関連する記事